見積書等に記載する専門用語のご説明
見積書などに記載させていただく、聞き慣れない語句のご説明 。工事全体の中で、どのような
場面で行われる作業なのか?前後の工程も含めてご説明する為に工程写真を添付致しました。
下地の素材や劣化状況等によって、各工程において、工法、使用材料共に、その都度選定するも
のですから、全ての工事において、写真と全く同様の作業を行う訳ではありませんが、一般的な
場合として掲載させて頂きます。
工事工程(工事内の作業順序)は現状を良好な結果に結びつけるまでの作業順序です。複数の工程を重ねて完成させる塗装工事の場合には非常に大切なものです。決められた通りの工事を守り、各工程を確実に実行する事で、長期間の耐久性を求めています。大まかですが、住宅外部の一般的な塗装工事を行う場合の標準的な工事工程は、次の様になります。
材料搬入→仮設足場掛け→全体の高圧洗浄→窓、ドア等の養生→屋根、外壁等の下地補修と処理
→下塗り→中塗り→上塗り(中塗りと上塗りに用いる塗材が同一塗材の場合には、上塗り2回塗
りと記載します(工事内容によっては、更に多くの工程を要する場合がございます)。前工程
の硬化状態や温度、天候、風向きに合わせて効率良く作業を行い、更に、破風、軒裏、枠類、
雨戸などの住宅各所の塗装完成後、一次検査→足場解体、搬出→最終検査。主なところとして
、以上のような工程を経て完成となります。記載された夫々の工事内容について、以下の通り
、写真付きで解説いたします。
仮設足場:手が届かない高所の塗装工事の必需品です。 工程写真
外部の屋根、外壁などの高所作業を行う場合には足場が必要です。色々なタイプの足場がありますが、
現場の状況によって選定します。工事後に残るものではなく、高所作業に必要な仮設物ですが、重量の
あるものを組み上げて行くものですから、塗装工程の中で、一番作業員の体力を消耗させるものです。
重量物の運搬が伴うものであり、運搬にはトラックが必要です。部材の積み下ろしには、ある程度の時
間を要しますので、この間の駐車スペースが必要となります。工事中には高圧洗浄による、水や汚れ、
旧塗膜の破片が舞い散るする事がありますので、飛散防止ネットや自動車カバーによる附近への養生を
行います。
ケレン:塗装可能な状態に素地を整える作業です。 工程写真 工程写真
浮いた旧塗膜や埃、錆等を除去し、新たに塗装する塗料と下地表面との密着性を良好にする為に行う工
程です。塗装工事後の耐用年数にも大きな影響を与える重要な工程です。サンドペーパーやデイスクサ
ンダーを用いる一般的な方法から、サンドブラスト等の機械を用いる方法まで、状況に合わせ使い分け
ます。ケレンした後には必ず十分な清掃を行い、次工程に備えます。尚、素地とは施工前の表面の状態
を言います。工程写真ではスチール製雨戸のケレンを参考にしております。
高圧洗浄:圧力を掛けた水道水で屋根や外壁を洗浄します。塗装工事前に行う必修工程です。
高圧洗浄も加圧した水道水で表面の汚れを洗い流すと同時に劣化した旧塗膜を除去する為に行うもので
すから、目的はケレンと同じです。私達、専門工事業が用いるエンジン式の高圧洗浄機は一般の
皆様が自動車の洗浄を行う時にお使いになるものよりも、高い圧力を発揮するものですから、下地を壊
すことがないように加減して行います。
下地処理・下地調整:必要に応じてケレン後、塗装前に行う工程です。 工程写真
素地の表面処理、凹凸や欠損・クラック等をパテやコーキングなどの下地調整材等を用いて修正する作
業です。仕上がりと耐用年数に大きな評価を与える重要な工程であり、様々な性質の調整材があります
。下地の状況と性質、次工程である、塗装工程に用いられる塗料の性質との相性を計りながら選定しま
す。下塗:ケレン(高圧洗浄を含む)後の被塗装面表面を整え、更に上塗との密着性を高める為に塗装
するものです。
主に被塗装面と上塗に用いる塗料との密着性を高める目的で使用するものです。通称、シーラーやプラ
イマー、フイーラーと呼ばれる下塗専用材を使用するものです。フイーラーは粘度が高く、密着性を高め
るだけでなく、多少の厚みを付ける事が可能であり、下地補修後の補修痕や小クラックをカバーする効
果がある事から、特にモルタル下地の外壁には重宝に使われます。プライマーは例えばサイデイング表
面の塗装など、既存表面の凹凸柄をそのまま生かして施工する場合に用いる材料です。どちらにしても
素地と上塗の間に挟まれるものですから、この両方との相性が良いものである事が重要です。メーカー
の推薦と我々塗装技術者の経験をもって選定するものです。
中塗り:下塗終了後、上塗り着手前に塗装するものです。
下塗や上塗りとは異なる塗材を中塗りとして塗装する場合があります。状況に応じて、もしくは通常の
工法だけでは得られない効果を得る為に施工する場合があります。
上塗:塗装工事の最終工程である仕上げ塗装です。 工程写真 工程写真
外部用の仕上材は主にウレタン、シリコン、フッソなどを基材として構成されており、夫々耐候性(耐
用年数)が異なります。当社では、価格と耐用年数の比較、塗装数年後の検査の結果、特にシリコン系
塗料をお勧めしております。上塗りをトップという言い方をする場合があります。これは、重ねられた
塗装の一番表面に塗装するものだからです。塗装全体の耐用年数は、勿論、確実な下塗工程や中塗工程
も必要不可欠ですが、特に上塗りに使用する塗料の選択は重要なものです。お客様のご希望に私達のア
ドバイスを重ね、カラーを含めて選定します。通常、2回以上の仕上塗装を経て完了となります。
養生:主に非塗装部位を塗料の付着から守る為にカバーするものです。 工程写真
一般的に、悪くならないように養生すると言います。これから行う事によって、現状を悪化させないよ
うに対処する事と理解しています。塗装工事においては、塗装部位に接した窓、ドア等の非塗装部分、
床等に塗料が付着しないように対処(養生)します。主に養生用ビニールを用います。近隣の駐車中の
車両には、ご了解のうえ、専用カバーを掛けさせていただく場合がございます。
シーリング工事:塗装前に必ず検査すべき項目の一つです。防水工事の一種です。
家を老朽化から守るという観点に立ち考えるならば、一番重要な事は、建物内への水の侵入を食止める
事だと思います。サイデイング外壁の目地や窓、ドアの廻りにはゴムのような弾性のある材料がが充填
されています。これをシーリング材と言います。これは経年変化により硬化、収縮するものですから、
長年放置しますと隙間を生じ、防水機能を果たさなくなります。これが、建物の一番の急所です。塗装
工事と同じように定期的な打ち替えを要するものです。全体的なシーリングの打ち替えをする為には、
塗装と同じように足場が必要となりますので、一般的には塗装工事の前工程の一つとなっています。主
に変成シリコン、ウレタン等が一般的ですが、当店では耐候性に優れた変成シリコンを用います。
見積書は、どのような工事を提案し、それを実行した場合の金額を明示し、誰にでも施工内容と
金額の根拠を正しく伝える為に提出するものですから、以下の項目を細かく記載しています。
1、塗装範囲の中のどの部位を(例:外壁)
2、使用する塗料(他材料を含む)のメーカー及び材料名(例:SK化研 クリーンマイルドシリコン)
3、どのような工法で(例:ウールローラー使用)
4、何回施工するのか(例:2回塗装)
5、数量(例:100)
6、単位(例:㎡)
7、単価(例:○○円)
8、金額
※工事中は進捗状況を報告しながら次工程へと進みます。