床貼替工事の一例です。Pタイルを長尺シートに貼替えた工事をもとに工事内容をご説明申し上げるものです。
「工事前」
建物内の床表面はPタイルで仕上げられています。工事前の調査により、全体的に劣化が進んでおり、
所々に欠損が確認される状態でした。下地との接着強度にはかなりの斑があり、強固な部分と緩い部分
が混在しております。この為、手工具などの軽度なケレン作業のみでは対応できない状況であると確認
できました。工期、工程、費用などの提案に際し、工事前の十分な調査は欠かせないものです。
「工事後」
およそ、一月間の工期を経て、1階~4階までの全ての廊下と階段の貼替を終え完了となりました。
「工程説明」
大まかな説明になりますが、工事全体の流れを工事工程順にご説明申し上げます。
「Pタイルの剥がし・撤去」
専用工具の使用により、既存表面のタイルを少しずつ剥がしていきます。歯先に振動を掛けて少しずつ
Pタイルを砕く方法です。騒音が伴う作業工程になります。
「下地処理」
破砕したPタイルの破片、塵や埃が残存する事の無いように、下地全体を研磨しました。
「下地調整」
十分な清掃の後、セメント系材料により、下地の不陸調整や表面傷の修正を行います。仕上がりに影響
する重要な工程です。特に、通気性の無い長尺シートを施工するにあたり、下地に残った水分が後に温
度上昇に伴い、蒸気化する場合があります。これにより表面の膨れ、剥がれ等の不良に繋がる場合があ
りますので、十分な乾燥を確認したうえで、最終工程に進まなければなりません。
「床用シート貼」
中央から左はシートを貼り終えたところ、右は専用接着剤を塗り終えた後、乾燥の状態を見極めながら
接着します。
ビニル床シートには 東リ フロアリューム ソイルドNW 20FL629 を使用しました。
「ジョイント部の溶接」
シートのジョイント部分は端末部分だからこそ剥がれ易く、完成後の弱点になる場合があります。更に
、将来、経年変化によるシートの収縮に従い、ジョイント部分に隙間が生じる事が無いとは言えません
。ジョイント部分の溶接は、これらの可能性を考え、予め対処するものです。シートが互いに接する面
にV字状に溝を作り、溶かした溶接棒を圧入する方法で行います。溶接棒はシートの表面に併せた色彩
で製造されているものです。
「階段ノンスリップ取付」
床のシート工事に併せて階段ノンスリップを交換させて頂きました。ステンレス台座及びゴムタイヤの
交換作業でした。